太っ腹の老人に借金を肩代わりしてもらった話
それはある日突然
借金返済のため、本業に支障ない範囲でWワークをしようと考えました。
それを上司に相談してから1週間ほどたったころ
「兄弟会社で週3日バイトしないか?」
と。
本業は完全週休2日制ではなく、1.5日休みの週と2日休みの週の繰り返し、つまり“完全”ではないただの『週休2日制』だったんですが、それを週3日勤務にして、残りの3日を兄弟会社で働かないか?というものでした。
本業の実働は減るが月給33万円(総支給)は変わらず、兄弟会社での週3日勤務(ざっくり月12日勤務)で6万円上げるから、トータル月収39万円でどうだ!と……。
一も二もなく承諾しました。 月39万円あれば、借金返済してもかなりの額が残るので、やっと普通の生活ができる……!娘も2歳になるし、これはありがたい……!
新しい職場で別の業務をする、本業に差し支えないように週2日程度、もしくは深夜の仕事……いくつか面接に行きましたが、週2日の条件が厳しく落とされてばかりだったので、本当に渡りに船の申し出!!と妻と一緒に喜んだものです。
休みは週1になるけど、まずは生活の正常化が先だ!頑張るぞ!!
そう考えていました。
それが2018年3月末
会長への挨拶
そんな折、会長に挨拶しとけ!と言われ兄弟会社の本社にネクタイ締めて向かいました。
新宿から新橋まで山手線に揺られ、本社へ行ったのが4月上旬
親族経営の小さな会社の会長室には会長(前社長)とその子どもたち(現社長や専務など)
会長からは
「とにかくしっかり働いてくれ。私が若いころはむにゃむにゃむにゃ〜」
とありがたいお言葉をいただきました。
一通り老人のお小言会長からのありがたいお言葉をいただいたのちに
会長「なんでもお前、借金があるんだって?」
おい、個人情報わい!と心の中でひっそり思ったんですが、正直にYESと答えるわけで。
会長「いくらだ?」
ぼく「(なんやねんいきなり!具体的にということか!?まーこんなのは恥ずかしいことなので正直に言えんなー。引かれないようにちょっとだけ低く言っとこ)100万円くらいです!(ほんとは130万)」
会長「そうか。わかった。ちょっと待ってろ」
ぼく「え」
それから記憶があやふやなんですが、気がついたらたった今銀行から下ろしてきた帯のついた札束が……!!
ぼく「えっ」
なんか、貸してくれるんだってさ!
会長「それで借金返して、娘ちゃんしっかり育てろよ。この金はお前じゃなく、お前の嫁さんと娘のためだからなっ!その代わりしっかり働けよ!」
ぼく「えっえっ」
ありがとうございます……!!
と、いうわけで
ぽーんとお金を貸していただきました。
まさかの出来事に
もちろんもらったわけではなく、『借りた』わけで、ちゃんと返しますよ!
そしてちゃんと借用書も作成され、押印しました。
半年間の猶予をもらい、半年後の10月から返済開始です。
2か月に1度5万円を返していき、40か月で完済というわけです。
3年ちょっと……猶予期間含めると約4年!
2022年の年明けには終わるのかな。
頑張って働こう!
でもちょっとだけ後悔してることがあって。
正確には100万ではなく、130万程だったので、ちゃんと言えばよかったなってこと。
帯のついた札束なんて目にする機会そうそうないのに、新宿の事務所への帰り道で銀行寄って、1社完済しちゃって妻に札束見せられなかったこと。
くぅぅぅぅぅ〜
仕方ない
恩には報いなければならない
がんばろ
生きてると、色んなことがあるなって思った日